太陽光パネル義務化?注意点などを解説

2022年10月15日

環境への配慮や意識が高まる今、太陽光パネルを屋根に設置している一戸建て住宅をよく見かけるようになりました。マンションやアパートなど集合住宅の屋上に設置されるケースも増えていますよね。

 

先月東京都の小池知事が、2025年4月から都内の新築一戸建て住宅に太陽光パネルの設置を義務化する基本方針を示したこともあり、今後はこれまで以上に『太陽光発電』に注目が集まるのではないでしょうか。

 

ちなみに、東京都が目指す太陽光パネル設置義務は、購入者ではなく住宅メーカーに課されます。しかし費用はもちろん購入者の負担です。

 

太陽光パネルを設置する人が多い=メリットが多いということですが、時折「つけなければよかった」という声も耳にします。

 

今回は改めて、太陽光パネル(太陽光発電)のメリットやデメリット、注意点などについて解説します。

太陽光パネル

太陽光発電のメリット

メリットが多いからこそ、多くの住宅で設置されている太陽光発電。ではどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

太陽光発電の主なメリットは次のとおりです。

 

・電気代の節約

・売電収入を得られる

・停電しても電気が使える

・環境にやさしい

 

やはり大きなメリットは「電気代の節約」ですよね。自分たちが使う電気は自宅の屋根で発電した電気で賄うことができるので、電気代の節約となります。

 

使いきれなかった電気は売電することも可能。10年間は買い取り価格も保証されており、比較的高値で売電できます。電気を売るので、利益となるのもメリットでしょう。(のちほど「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT制度)についても説明します。)

 

また突然の災害で停電になった場合でも、太陽電池モジュールや周辺機器などに破損がなければ発電可能なので、もしもに備えられるのも心強いポイントです。

 

そしてなんと言っても、環境にやさしいことが一番のメリットでしょう。

 

その他、夏は涼しく冬は暖かい、蓄電池や電気自動車との連携でさらなる効果が期待できるなどといったメリットも。

 

こうしたメリットの多さから、各自治体は太陽光発電の導入に力を入れています。補助金制度も充実しているので、導入を検討している方は、お住まいの自治体の補助金制度を確認してください

太陽光発電のデメリット

メリットが前面に出がちな太陽光発電ですが、もちろんデメリットもあります。後悔のないよう、しっかりチェックしてください。

 

太陽光発電の主なデメリットは次のとおりです。

 

 

・導入費用が高い

・メンテナンスが必要

・発電量が天候に左右される

・屋根への負荷や雨漏りなどのリスク

 

 

やはり一番気になるのは「導入費用」ですよね。太陽光発電の導入費用は以前に比べ少しずつ安くはなっていますが、まだまだ高額。一般的な大きさの家屋でも100万円を超える費用が必要です。詐欺なども多発していますので、契約時には細心の注意をしてください。

 

また「メンテナンスフリー」とも言われる太陽光発電システムですが、数年に1度の定期点検が推奨されており、絶対に壊れないということはありません。

 

もちろん太陽光発電システムにも寿命がありますので、その時がくれば買い替えるか撤去が必要となります。(最近少し話題となっている”撤去”についても、のちほど説明します。)

 

そして太陽光発電は天候によって発電量が左右され、冬場は日照時間が短いため他の季節に比べ発電量が少なめです。とはいえ年間を通せば安定しています。

 

そして屋根に多少の負荷がかかること、施工不良などにより雨漏りや電気系のトラブルが発生する可能性があることも覚えておきましょう。信頼のおける工事会社選びや確かな腕を持つ職人さんとの出会いが重要です。

 

そのほかにも反射光トラブルが発生する、設置に向かない家もあるなどのデメリットもあります。後悔のないよう、しっかりとデメリットを理解しましょう。

太陽光パネル

「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT制度)について

経済産業省が2012年7月に開始した「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT制度)。

 

太陽光発電をはじめ再生可能エネルギーからつくられた電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証しています。

 

自家消費されなかった分の余剰電力は、電線を通じて電力会社に送られ買い取られるのですが、FIT制度の買取期間は、一般家庭に多い10kW未満の太陽光発電の場合、10年間。つまり、太陽光発電を設置してから10年間は一定の価格で電気を買い取ってもらえます。

 

10年を過ぎることを「卒FIT」と呼び、一般的に卒FIT後は買取価格が大幅に下落。以前のような収入を得ることは難しくなります。正直、売電収入では設備費回収は難しいでしょう。

 

FIT期間中は売電収入になっていた余剰電力ですが、卒FIT後は蓄電池を購入して自家消費するという方法もあります。

 

ただし蓄電池を導入するには高額な費用が必要です。「長い目で見れば…」という声も聞きますが、太陽光パネルの寿命は一般的に20~30年といわれています。

 

費用だけでなく、環境負荷や耐用年数などさまざまなことを考慮して検討してください。

太陽光パネルの撤去

エコな暮らしという観点と売電収入を得られるという理由で、太陽光パネルを導入する家庭が増えました。

 

しかし時が経てば、さまざまな理由で撤去を考えるタイミングがやってくる可能性があります。

 

じつは「太陽光パネルを撤去したくてもできない」と、最近少し話題になっているのをご存じでしょうか。

 

太陽光パネルの撤去作業は非常に危険であり、接続を切るための専門スキルが必要です。スキルを持ち適切に撤去できる専門業者が少ないだけでなく、撤去から回収、廃棄など、すべての工程を請け負うことができる業者はあまり多くありません。

 

そのため高額な撤去費用がかかったり、思わぬトラブルに見舞われたりすることもあるようです。

 

どちらにせよ寿命を迎えた太陽光パネルは、撤去や買い替えを検討する必要があるでしょう。その時には多額の費用が必要ですので、その時のことを考えて費用の確保をしておくことをおすすめします。

まとめ

今回は太陽光発電(太陽光パネル)について解説しました。

 

環境への負荷を考えればメリットの大きい太陽光発電ですが、売電収入や設置・メンテナンス・撤去費用の面から見ると、メリットばかりではありません。

 

導入のリスクも知ったうえで、設置するかどうか判断しましょう。

 

また太陽光パネルが設置された中古住宅の購入を検討されている方は、設置されてからの年月やメンテナンス状況などもしっかりチェックしてくださいね。