暮らしの中に些細な防災を取り入れる
2022年08月30日
9月1日は「防災の日」。
各地で避難訓練が行われたり、テレビやラジオで防災特集が放送されたりしますよね。また家族や職場で防災について話し合ったり、非常袋の中身のチェックをしたり、この日が多くの人にとって防災について考える日になっているのではないでしょうか。
平成29年に内閣府が行った災害に関する世論調査では、食料や飲料水の準備、足元灯や懐中電灯などの準備をしている人は、半数に満たない状況でした。
防災対策をしていても、例えば懐中電灯の電池や非常食の賞味期限が切れていては意味がありません。いつ起こるかわからない災害への備えは、しっかりしておきたいものです。
今回は暮らしの中で今からすぐに取り組める”小さな”防災について紹介します。
毎日しっかりスマホの充電を
皆さん、”たった今の”スマホや携帯電話の電池残量は何%ですか。中には「常態的に数%しか残っていない」という人もいるのではないでしょうか。
災害時の情報収集や家族への連絡のほか、アプリでラジオを聞いたり懐中電灯として利用したり、スマホはとても役立つアイテムです。
しかし停電になってしまうと通常のコンセントからの充電はできません。つまり日頃からできるだけ充電をしておくことが大切です。
「過充電が気になる」という人もいるかもしれませんが、現在では多くのモバイル機器が、過充電を防止する機能が備えつけられています。昔ほど気にする必要はありませんので、できるだけ充電をするよう心掛けましょう。
ある被災者へのアンケートによると、被災後に必要だと感じたものの1位は「モバイルバッテリー」。既にモバイルバッテリーを持っている人も多いと思いますが、ではモバイルバッテリーの充電はしっかりできていますか。モバイルバッテリーは使用しなくても、時間とともに放電しますので、必ず定期的に充電をしましょう。
万が一に備えておすすめなのが、乾電池式やソーラー式のモバイルバッテリーです。充電式よりもパワーは劣りますが、いざというときのために非常袋に入れておくとよいでしょう。ちなみに手回し充電は時間と体力が必要ですので、あまりオススメできません。
食料備蓄は「ローリングストック」
非常食というとカンパンやアルファ米など長期保存食を思い浮かべる方も多いかもしれません。最近ではこれらの非常食もおいしく改良されてきてはいますが、賞味期限が近づき新しい非常食に入れ替えれば、平時にそれらを消費しなければなりません。家族の人数×1週間分ともなるとかなりの量でしょう。
食料備蓄は「ローリングストック」という方法を日常に取り入れるのがオススメ。
ローリングストックとは、普段から食べ慣れている食品(例えば缶詰やお菓子など)を少し多めに購入し、日常生活の中で賞味期限が近いものを優先的に消費、使った分だけ買い足して補充する方法。これなら無理なく無駄なく食料備蓄ができるのではないでしょうか。
ローリングストックのポイントは、常温保存できて消費期限が長いもの、調理なしまたは簡単に食べられるものを選ぶことです。例えばやきとりやサバの味噌煮などの缶詰、カレーや中華丼などのレトルト食品はそのままでも食べることができるのでオススメ。もちろん普段の食卓に並べることもできます。
ただし長期保存食より賞味期限が短いため、賞味期限が近いものを優先的に食べるようにしてください。
またストックする場所も気をつけたいポイント。缶詰はこっちの棚、レトルト食品はあっちの棚、お菓子は別の部屋…とするのではなく、できるだけまとめておきましょう。
乾電池のサイズに注目してアイテム選び
ある被災者アンケートで被災後に必要だと感じたものの2位が「電池」。ラジオやランタンなどの防災グッズを使用するためにも、乾電池は大切な備えです。家族構成や備えているグッズに対して、どのサイズの乾電池がどれくらいの数必要かを把握し、備えておきましょう。
しかし乾電池には寿命があります。たくさんストックしておいた乾電池が「気がついたら液漏れしていた」というケースも少なくありません。
もし現段階でまだ防災グッズを揃えていない人は、既に家にある”乾電池を使用する家電”の乾電池サイズに着目して防災グッズや家電を選んでみるとよいでしょう。乾電池が同じサイズであれば、ストック乾電池が循環します。食料備蓄と同じ考えです。
なおストック用の乾電池は「アルカリ乾電池」がオススメ。アルカリは寿命が5~10年程度あり、パワーもなかなかのもの。15年~20年の寿命がありパワフルな「リチウム乾電池」は高性能なもののコストが高く汎用性が低いので、あまりオススメできません。
まとめ
日本は自然災害の多い国です。地震をはじめ、近年では台風や豪雨災害も増えています。
非常袋を用意することや、発災時にどんな行動をとるか家族で話し合うことなどは、もはや言うまでもないこと。
今回紹介した「毎日の暮らしの中の防災」を忘れずにやるだけで、いざという時に「やっててよかった」と感じることでしょう。いつ起こるかわからないからこそ、些細なことから備えておきましょう。