請求書をPDFでメール送付する際の注意点
2025年03月15日
さまざまな場面で活用されるPDF。ペーパーレス化が進む今、ビジネスシーンでは契約書や報告書、プレゼン資料など、多くの文書がPDF形式でやり取りされています。紙の請求書を電子化し、PDF形式でメール送付する企業も多いですよね。
しかしPDF形式の請求書は法的に有効なのでしょうか。
今回は、電子帳簿保存法のルールをふまえた請求書をPDFでメール送付をする際のポイントを解説します。
PDFの請求書は法的に有効なのか
請求書は、取引内容や日付、金額などの内容が確認できれば、紙の請求書でもPDF請求書でも法的に有効です。
PDF請求書で明確にすることは次のとおり。
・送付元の企業名
・取引内容
・取引年月日
・金額
請求書への押印は不要。とはいえ電子印鑑を押印する企業は多いのが現状です。
またPDF形式の請求書は電子取引にあたるため、電子帳簿保存法の要件を押さえておかなければなりません。ここからは電子帳簿保存法上の注意点を紹介します。
電子帳簿保存法上の注意点
電子取引の保存要件は「真実性」と「可視性」の確保。
PDF請求書をメールで送付する際には、電子帳簿保存法に準拠した保存方法を確保することが重要です。
1. 保存要件の遵守
電子的に受領した請求書は、電子のまま保存する必要があります。紙に印刷して保存するだけでは要件を満たしません。
2. 検索機能の確保
「日付・金額・取引先」の項目で検索できるように管理する必要があります。ファイル名の統一や検索ツールを活用し、検索ができるようにしておきましょう。
3. 改ざん防止措置
タイムスタンプの付与や履歴が残るシステムでの授受・保存など、データの改ざんを防ぐことが必要です。
PDF請求書のメリット
PDF請求書の主なメリットは次の3つ。
1. コスト削減
印刷や郵送のコストを削減できるため、経費の圧縮につながります。
2. 業務効率の向上
郵送の手間が省け、請求書の発行から送付までの時間を短縮できます。
3. 検索・管理の容易さ
電子データとして保存することで、必要な請求書をすぐに検索・閲覧できます。

メールでPDF請求書を送信する場合の注意点
メールでPDF請求書を送信する場合、次の3つのポイントをおさえておきましょう。
・件名には「請求書」が添付されていることを記載
・件名や日付がわかりやすいファイル名
・送付先のメールアドレスを間違えない
他のメールに埋もれてしまわないよう、件名には「請求書」が添付されていることを記載し、確実に受領してもらう工夫をしておきましょう。
またファイル名には、件名や日付などを含んでおくと、取引先にとっても自社にとっても便利です。
そして最も重要なことは、送付先のメールアドレスを間違えないこと。請求書には機密情報が記載されていますので、細心の注意を払いましょう。
まとめ
PDFでの請求書送付は、コスト削減や業務効率向上に役立ちますが、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。
ビジネスや個人利用においても、適切に活用することで、文書のやり取りをよりスムーズに行うことができるでしょう。
まずは正しく理解し、そして適切な保存方法を確立し、法令遵守を徹底してください。きっと事業の成長に役立つはずです。