経理人材不足、企業が取るべき解決策とは
2025年08月30日
近年、あらゆる業界で人材不足が叫ばれていますが、とりわけ「経理」は深刻な状況にあります。
採用難だけでなく、ITスキルや経営視点まで求められるようになり、従来の人材像では対応しきれなくなっているのです。
経理の人手不足は単なる人員の問題にとどまらず、企業経営全体に直結する課題といえます。
今回は、経理人手不足の解決策について解説します。
経理人材不足の背景
経理人材が不足している背景には、業務の高度化と複雑化、採用難の深刻化、そして長年の属人化による体制の脆弱さがあります。
ここでは、その代表的な要因を3つに整理してみましょう。
専門知識の高度化
簿記・税制対応に加え、クラウド会計やAI分析など新たなスキルが必須に。従来の“数字をまとめる経理”だけではなく、“データを経営に活かす経理”へのシフトが進んでいます。
人口減少と採用難
少子高齢化で労働人口は縮小傾向。若手人材は「経理・事務職」よりもマーケティングやIT分野を志望する傾向が強く、採用競争は一層厳しくなっています。
ノンコア業務であること
どの企業であっても経理業務は存在しますが、売上に直結するコア業務ではありません。
企業全体で人員不足に直面している場合、経理はノンコア業務と位置づけられ、人員補充が後回しにされるケースがあります。
この構造的な要因が、経理の人手不足が解消されにくい背景のひとつです。
経理人材不足がもたらす悪影響
・業務遅延・ミスの増加:入力作業や確認作業の負担増加でヒューマンエラーが発生しやすい
・離職リスク:過重労働によるモチベーション低下
・経営判断の遅れ:正確な数値がタイムリーに集計できず、意思決定に支障
経理の人手不足を解消策
経理の人手不足を放置すれば、企業全体の経営判断や内部統制にも影響が及びます。
ここでは、具体的な解決の方向性を3つご紹介します。
業務プロセスとデジタル化の推進
承認フローや帳票管理を見直して無駄を排除しつつ、クラウド会計ソフトやOCR、RPAを導入して仕訳・請求書処理を効率化。
業務の標準化と自動化を同時に進めることで、人的負担を大幅に軽減できます。
人材育成とスキル強化
経理担当者にデジタルリテラシーを習得させる研修や資格取得支援を導入し、従来の「帳簿管理」だけでなく「経営に活かす経理」へと役割を進化。学び直しを後押しすることで、キャリアの魅力も高められます。
外部リソースの戦略的活用
繁忙期の定型業務はアウトソーシング、専門的な分野は会計士や税理士に委託するなど、外部の力を柔軟に活用します。限られた社内リソースを本業や戦略的業務に集中させることが可能です。
まとめ
経理の人手不足は、企業にとって深刻な課題であると同時に、経理部門を進化させる大きなチャンスでもあります。
業務プロセスの見直しとデジタル化により効率を高め、担当者のスキル強化で経理の価値を高め、さらに外部リソースを戦略的に活用することで、限られた人材であっても業務を安定させることが可能です。
人材不足という逆風を、組織変革の追い風に変える挑戦が、今まさに求められています。
