【経営者必見】数字に強い経営者になるには
2026年02月28日
「毎月通帳の残高は確認しているから大丈夫」
「細かい数字はよく分からないから、全部税理士に任せている」
もしあなたがそんな風に考えているとしたら、少し危険かもしれません。
企業が成長し、従業員を守り抜くためには、経営トップ自身が「自社の数字」を正しく把握し、根拠のある意思決定を下す必要があります。
今回は、現場の営業や職人上がりで「実は数字に苦手意識がある……」という中小企業の経営者に向けて、今日から「数字に強い経営者」に変わるための具体的なステップと視点をお伝えします。
「数字に強い」とは、簿記の知識があることではない
まず最初にお伝えしたいのは、「数字に強い=複雑な簿記の仕訳ができる、経理の専門知識がある」ということではないということです。
経営者に求められる数字の強さとは、「会社のお金の流れ」を大づかみで理解し、そこから経営の課題や次の一手を読み取る力のこと。
極端に言えば、1円単位の正確な計算は経理担当者や会計ソフトに任せて構いません。
経営者が見るべきなのは、「なぜこの利益になったのか」「このままいくと半年後の資金繰りはどうなるのか」という、大局的な視点です。
税理士が作ってくれる決算書は、あくまで過去の成績表に過ぎません。経営に必要なのは、その成績表から「未来の戦略」を描き出すことなのです。
数字に強い経営者になるための4ステップ
では、具体的に何から始めれば良いのでしょうか。実務に取り入れたい4つの思考ステップをご紹介します。
1.「数字に強い」とは、簿記の知識があることではない
多くの経営者は「今月の売上はいくらか?」を気にします。しかし、本当に見るべきは売上から原価(変動費)を引いた「粗利(限界利益)」です。どんなに売上が大きくても、原価が高くて粗利が残らなければ、社員の給料や家賃などの固定費を払うことができません。「売上至上主義」から抜け出し、「いかに粗利を稼ぐか」に経営の舵を切ることが第一歩です。
2.固定費と変動費を分け「損益分岐点」を把握する
自社の経費を、売上に比例して増減する「変動費(仕入や外注費など)」と、売上に関係なく毎月固定でかかる「固定費(人件費や家賃など)」に分けてみましょう。これらを把握すると、「毎月最低いくら売上(粗利)を出せば赤字にならないか」という「損益分岐点」が見えてきます。この最低ラインの数字を経営者が頭に入れているかどうかで、投資や採用の判断スピードが劇的に変わります。
3.年1回の決算から「月次決算」へシフトする
「数字を見るのは年に1回の決算の時だけ」という状態は、目隠しをして車の運転をしているようなものです。強い会社を作るためには、毎月の業績を翌月の上旬には把握できる「月次決算」の体制が不可欠です。リアルタイムで数字を追うことで、「今月は少し経費を使いすぎたから来月は引き締めよう」「想定より利益が出ているから、今のうちに広告費を踏み込もう」といった軌道修正がすぐにできるようになります。
4.「利益」から逆算して目標を立てる
数字に弱い経営者は「売上-経費=残ったものが利益」と考えがちです。しかし、数字に強い経営者は「利益+経費=必要な売上」という逆算思考を持っています。まずは「会社に残したい利益」を決め、そこから「必要な固定費」を足し合わせ、最後に「それを達成するための売上目標」を算出する。この順番で計画を立てることで、絵に描いた餅ではない、根拠のある経営計画を作ることができます。
数字に弱い経営者のNG行動
ここで、気づかないうちにやってしまいがちなNG行動を紹介しましょう。
過度な節税対策に走ってしまう
二つ目は「過度な節税対策に走ってしまう」こと。税金を払いたくないあまり、不要な高級車を買ったり、急な設備投資をしたりして手元の現金を減らしてしまうケースです。本当に強い会社は、適正に税金を払い、しっかりと内部留保(現金)を手元に残して不測の事態に備えています。
まとめ
数字に強くなるということは、特別な才能が必要なわけではありません。見るべきポイントを絞り、定期的に自社の数字と向き合う習慣をつけるだけで、誰でも必ず身につけることができます。
また、経営者が数字で語れるようになると、金融機関からの信頼が厚くなり、融資が通りやすくなるという大きなメリットもあります。社員に目標を共有する際にも、説得力が全く違ってくるでしょう。
まずは今月の試算表を開き、「うちの固定費はいくらか」「損益分岐点はどこか」を確認することから始めてみませんか?数字という「経営のコンパス」を手に入れることで、会社の未来はもっと確かなものになるはずです。
