義務化から2年。電子帳簿保存法を再確認
2025年12月30日
2024年1月の電子取引保存の完全義務化から、間もなく2年が経過します。
制度の導入期を過ぎ、2026年からは「正しく運用できているか」がより厳しく問われるフェーズに入ります。
今回は、改めて対象書類や保存ルール、手続きのポイントを整理して解説します。
電子帳簿保存法の「3つの区分」と対象書類
電子帳簿保存法は、全ての書類を同じように扱うわけではありません。
大きく分けて3つの区分があり、それぞれルールが異なります。
ここで特に重要なのが、自社が「送った」データも対象であるという点です。PDFで送った請求書の控えを紙でしか持っていない……という状態はNGです。受領・発行どちらもデータで管理しましょう。
書類の保存期間は?
電子帳簿保存法における書類の保存期間は、原則として法人税法や所得税法の定めに準じます。
・法人の場合:原則 7年間(欠損金がある事業年度は最長10年間)
・個人事業主の場合:原則 7年間(白色申告の一定書類などは5年間)
※保存期間の起算点は「確定申告書の提出期限の翌日」からとなります。
実務で守るべき「保存の2大要件」
義務化から2年経った今、自社の運用が以下の2点を満たしているか再確認しましょう。
1. 真実性の確保(改ざん防止)
データが後から修正・削除されていないことを証明する必要があります。
・タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
・または、「不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程」を作成・備え付ける(※最も一般的な対応です)
2. 可視性の確保(検索できるようにする)
税務調査時に、すぐに目的のデータを取り出せる状態にしておく必要があります。
・「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できること。
・対応策: ファイル名を「20251229_11000円_(株)ジェミニ」のように規則的にリネームするか、Excelで索引簿を作成します。
2026年に向けてチェックすべき4つの「落とし穴」
運用開始から時間が経つと、ルールの形骸化が起こりやすくなります。以下の4点をチェックしてみてください。
1. 「事務処理規程」の場所を知っているか
税務調査で提示を求められます。担当者全員が場所を把握している必要があります。
2. 従業員の立替経費は漏れていないか
従業員が個人のスマホで購入した備品の領収書(メール等)も、電子保存の対象です。
3. バックアップは取れているか
PCの故障でデータが消えた場合、保存義務違反となるリスクがあります。
4. 「猶予措置」に甘えすぎていないか
「相当の理由」があれば紙保存も認められますが、これはあくまで一時的な救済です。税務調査で「なぜシステムやルール化ができていないのか」を問われた際、2年も経過していると説明が難しくなるリスクがあります。
まとめ
電子帳簿保存法は「一度設定したら終わり」ではなく、日々の運用の積み重ねです。もし現在のリネーム作業や手入力の索引簿作成に限界を感じている場合は、2026年に向けて専用システムの導入による自動化を検討するタイミングかもしれません。
「今のやり方が不安だ」と感じる方は、まずは現状のフローを書き出し、上記の要件と照らし合わせることから始めてみましょう。
