【電帳法】Amazon領収書の正しい保存
2026年03月30日
日々の業務で必要な備品や書籍をAmazonで購入している企業や個人事業主の方は多いでしょう。
しかし、その「領収書」、Amazonのサイト上に放置していませんか?
2024年1月に電子帳簿保存法(電帳法)の電子取引データ保存が完全義務化されてから時間が経ちましたが、いまだに「紙に印刷してファイリングしている」「必要な時にAmazonの購入履歴を見ればいいと思っている」というケースが散見されます。
結論から言うと、どちらも法律上NGです。
今回は、電子帳簿保存法のルールに基づき、Amazonで購入した際の領収書を正しく・手間なく管理・保存する方法を分かりやすく解説します。インボイス制度における注意点も追記していますので、ぜひ参考にしてください。
なぜAmazonの領収書は「電子保存」が必須なのか?
電子帳簿保存法では、取引情報のやり取りを「紙」で行ったか「電子データ」で行ったかによって、保存のルールを明確に分けています。
AmazonのようなECサイトでの購入は「電子取引」に該当します。
電子取引で受け取った領収書や請求書は、プリントアウトして紙で保存することは法律上認められておらず、「電子データのまま(PDFやスクリーンショットなど)」保存することが義務付けられています。
要注意!「Amazonのサイト上で見られるからOK」はNG
「わざわざ毎度ダウンロードしなくても、Amazonの注文履歴からいつでも見られるから問題ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、これには以下の2つの大きなリスクがあり、法律の要件を満たすことができません。
① 7年間の保存義務と消失リスク
法人・個人事業主ともに、帳簿や領収書は原則として7年間(欠損金がある場合は最長10年間)の保存義務があります。
しかし、Amazonのサイト上に領収書がいつまで保存・表示されるかについて、Amazon側は明確な保証期間を公表していません。アカウントの凍結、システムの仕様変更、退会などによって突然データが見られなくなるリスクがあり、「確実に7年間保存する」という要件を満たせない可能性があります。
② 税務調査で求められる「検索要件」を満たせない
電帳法では、保存した電子データに対して「可視性の確保(検索機能の確保)」が求められます。具体的には、以下の3つの条件で検索できなければなりません。
・取引年月日
・取引金額
・取引先(Amazonなど)
Amazonの標準機能では、注文履歴から「年」での絞り込みやキーワード検索はできますが、「〇月〇日~〇月〇日の期間」や「〇〇円~〇〇円」といった金額指定の細かな検索ができません。税務調査等で速やかなデータの提示を求められた際に対応できなくなってしまいます。
3ステップで完了!Amazon領収書のダウンロード方法
データの保存漏れを防ぐため、購入したら月次処理などのタイミングで速やかにダウンロードする習慣をつけましょう。
1. Amazonにログインし、画面右上の「注文履歴」をクリックします。
2. 対象商品の右上にある「領収書等」をクリックし、「領収書/購入明細書」を選択します。
3. 領収書が画面に表示されるので、ブラウザの印刷機能などを使って「PDFとして保存」を選択し、パソコンやクラウドストレージに保存します。(スマートフォン等の場合は明瞭なスクリーンショットでも可)
お金をかけずに要件クリア!具体的な保存・管理テクニック
高額なシステムを導入せずに、手軽に(かつ合法的に)管理するための具体的な運用アイデアを2つ紹介します。
方法A:ファイル名に規則性を持たせる(コストゼロ)
ダウンロードしたPDFのファイル名を、「日付_取引先_金額.pdf」**というルールで統一してパソコン上に保存する方法です。
■ファイル名の例:20260331_Amazon_3500.pdf
このようにファイル名をつけてひとつのフォルダ(例:「2026年度_電子領収書」など)にまとめておけば、パソコンの標準検索機能を使って日付や金額で検索できるようになり、検索要件をクリアできます。
※改ざん防止(真実性の確保)の要件を満たすため、国税庁が公表している「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」のサンプルをダウンロードし、社内に備え付けて運用ルールを定めておくのが最も簡単です。
方法B:クラウド会計・経費精算ソフトの活用
現在お使いの会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生など)に「証憑(しょうひょう)保存機能」がある場合、そこにAmazonのPDFをアップロードするのが最も簡単で確実です。
最近のソフトはAIによるOCR(文字認識)機能が備わっており、PDFをアップするだけで日付や金額を自動で読み取り、電帳法の要件を満たした状態で保存してくれます。
【+αの注意点】インボイス制度(適格請求書)への対応
インボイス制度の下で消費税の仕入税額控除を受けるためには、領収書に「登録番号(Tから始まる13桁の番号)」が記載されているかを確認する必要があります。
Amazon本体(Amazon.co.jp)が販売する商品はインボイス対応の領収書が発行されますが、「マーケットプレイス(一般の出品者)」から購入した場合、その出品者がインボイス発行事業者として登録していないと、登録番号のない領収書が発行されます。
会社の備品を購入する際は、商品ページに出品者の適格請求書発行事業者番号が記載されているか(インボイス対応かどうか)、カートに入れる前に確認するクセをつけておくと経理処理がスムーズです。
まとめ
Amazonの領収書管理における鉄則は、「紙に印刷しない」「サイトに放置しない」「PDF等でダウンロードして検索できる状態で自社保存する」の3点です。
最初は手間に感じるかもしれませんが、ファイル名のルール化やクラウドシステムの活用によって「仕組み化」してしまえば、バックオフィス業務は格段に楽になります。コンプライアンスをしっかり守りつつ、無駄な業務を削減していきましょう。
